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8話 多重魔法の発動と、団長の驚愕と興奮

Penulis: みみっく
last update Terakhir Diperbarui: 2025-10-22 12:27:58

「ん……ちょっと違うかな〜」

 レイニーは、首を傾げながら答えた。その言葉の裏には、「今のは、連射とは違うよね? 同時に発動させて、遅らせてるだけだし。結果は同じで連続で当たるんだけど、過程が違うよねっ?」というレイニー自身の思考があった。

 団長は、確かに連続して的に当たる音が聞こえていた。何が起きたのかを知りたくなり、レイニーの側へ移動してきた。その足取りは、先ほどよりも速い。

「もう一度お願いします、レイニー様」

 団長は、レイニーに懇願するように言った。

「あ、はぁ〜い♪」

 レイニーが軽いノリで返事をすると、再び同じことをして見せた。団長は、レイニーの魔法を凝視し、その仕組みを理解しようと努めた。

「……れ、レイニー様……それは、多重魔法ですが……どの様に習得されたのですか!?」

 団長は、驚きと興奮で声を震わせた。レイニーが使用していたのは多重魔法で、魔法陣が実は何重にも重なっており、三つ同時に発動させていたのだ。連射より遥かに高度で、王国内でも使える人物は一人しかおらず、それは団長の師匠にあたる人物だった。その師匠でさえ、二つの魔法を同時に放つのがやっとのことで、しかも遅延という発想すらなかった。多重魔法を発動させるだけでも精一杯で、その発想があったとしても、それを操れるはずがないのだ。多重魔法は、極めて高度な技術と、強靭な精神力、そして集中力が必要とされる。それに加えて、膨大な魔力と、二つの魔法を同時に操作する並外れた処理能力も必要とされる、まさに最上級の技術なのだ。

「え? あぁ……これは、まだ練習中だよ? そんなに驚くことかな??」

 レイニーは、拍子抜けしたように首を傾げた。簡単にできたので、レイニーは初級の技術程度に思っていたのだ。

「多重魔法ですよ!? それは驚きますよ……最上級の技術ですからね」

 団長は、興奮を隠しきれない様子で、レイニーの言葉を否定した。

(はい? 最上級の技術!? こんなに簡単にできたのに??)

 レイニーは、団長の言葉に愕然とした。

「え? あ……そうなんだ? えっと……秘密でおねがいっ! 目立ちたくないからさぁ」

 今更取り消したり、ごまかしようもないので、レイニーは正直に、しかし焦った様子でお願いをした。

「えぇ、そうされた方がよろしいと。他の者に、知られれば確かに騒ぎになりますね。秘密にしておくべきかと思います」

 団長は、レイニーの言葉に頷き、その重要性を理解したようだった。その顔には、レイニーという稀有な才能を持つ王族の秘密を守るという、新たな決意が浮かんでいた。

「あのさぁ……また、他にもいろいろと教えてくれるかな?」

 レイニーは、団長に改めて尋ねた。その声には、期待が込められている。

「……そですね、こちらからもお願いしたいくらいですな。では、講師を私に変更しておきます。明日から始めますか」

 団長は、レイニーの才能を目の当たりにし、その指導役を買って出た。その声には、喜びと、強い意欲が感じられた。

「よろしくお願いしまーすっ♪」

 明日からの魔法の練習が嬉しいのか、レイニーは満面の笑顔で返事をしていた。その瞳は、新たな学びへの期待に輝いている。

♢不機嫌な王女と兄の魔法

 翌日。レイニーは、今のところ親しい人が妹のルナしかいないため、朝からルナを探して王城のプライベートエリアを歩き回った。

(うぅ……ん、これじゃ妹のルナのストーカーみたいじゃん!? でも仕方ないじゃん。頼る人や話し相手がいないんだもんっ。)レイニーは、心の中でぶつぶつと文句を言いながらも、ルナを探し続けた。

 怪しまれないように自然に、そっと個人の部屋以外を覗き、ようやくルナを発見した。

(あ! ルナちゃん!? ……って、なんだかお茶会をしてるみたい? レイニーは、そっと様子を伺った。これって、邪魔しちゃダメなヤツかな? でも、話が盛り上がってない感じだけど? お互いにつまらなそうだし……。)レイニーは、少し迷った。

 コンコン、とノックをして返事が返ってきたので、レイニーは部屋に入室した。すると、ルナがニパァと満面の笑顔になったので安心した。一応は、ルナには歓迎されてるっぽい。しかし、お茶会の相手の女の子が、レイニーをムスッとした表情で見てくる……。その視線は、明らかに歓迎していない。

 ルナが笑顔で紹介をしてくれた。「あの、こちらは……わたしの兄のレイニーです。そして、あちらはルナリオン王国のフィオナ王女ですわ」

 わぁ……髪の毛が金髪でキレイで透き通るような青い瞳だなぁ……。レイニーは、フィオナの容姿に感嘆した。でも、うぅ〜ん……仲良くなれそうにないね。ムスッとしてるし、嫌われてるっぽいし。レイニーは、フィオナの態度に、早くも諦めを感じていた。

「レイニーです。宜しくね」

 レイニーは、いつもの愛想の良い笑顔で挨拶した。

 そうそう、ルナを探してたんだよ……。あれ? なんで……探してたんだっけ? それも必死に探してたよね。レイニーは、自分の行動を振り返る。一人でいるのが不安だったのかもなぁ……。漠然とした不安が、レイニーの心に広がった。

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